尾岱沼の夏と秋の風物詩~北海シマエビ“打瀬舟漁”~(食育レポートvol.23)

野付湾では北海シマエビ2014年秋漁が始まりました。
北海シマエビ漁

 

 野付湾で行う北海シマエビ漁は、明治時代から伝わる打瀬舟漁です。
風を受け、三角の帆をはためかせて静かにすべる打瀬舟の情景は野付湾の風物詩になっています。

北海シマエビ(和名:ホッカイエビ)は、その名の通り、緑褐色の体に数本の白いシマを 持っています。
北海シマエビ

 ▲海の中では緑褐色。茹でると朱色になる

 

打瀬舟で漁を行うのは、北海シマエビのすみかであるアマモを船のスクリューで傷つけることを防ぐため。
北海シマエビの快適な環境を守りつつ、豊かな恵みの一部をそっと分けてもらう漁なのです。 野付湾に育つアマモ

 

 

【打瀬舟の出漁】

別海町の10月末頃の日の出は、5時50分頃。
2014年秋漁初日は、日が昇り始めたばかりの6時30分、野付漁港の南側から出漁しました。
北海シマエビ漁 出港直前の様子

 

北海シマエビ漁 出漁前

 ▲打瀬舟を帆を立てるのも、広げるのも手作業

 

【漁模様は風次第】

打瀬舟は1人乗り。初日に出漁したのは29隻。
風を利用して船を動かし、網を徐々に移動させて北海シマエビを網に取り込むことから、風が強すぎたり、逆に無風であったりすると網を引くことができず、漁をすることができないのです。

(動画 22秒)

 朝日を浴びて揺れる打瀬舟

 

 

また、風向きによって網を引く方向が変わるので、漁場を移動します。
このため、浜の近くで漁を行う場合や、半島の近くで行う場合と、日によってさまざまです。
北海シマエビ漁

▲この日は漁港の南側、漁協の見える場所で漁を行った

 

【美味しさの秘密】

野付湾の打瀬舟漁は、ひき網で漁をします。
そのため、エビ本来の味を味わうことができます。
北海シマエビ漁 曳網

 ▲網を引き、エビを選別する間は帆を閉じる

 

北海シマエビは鮮度が命。
選別したあとロープをつないだカゴに入れて海に沈め、港まで生きたまま運びます。
北海シマエビ漁 生きたまま港へ

     北海シマエビ セリ前

 

 

【シマエビを守るために】

 夏漁と秋漁の前に資源調査を行い(食育レポート vol.1参照)、
推定資源量を調べ、漁獲許容量を決定しています。
また、9センチに満たないエビは資源保護のため、
網を揚げたあとその場で海に戻しています。
北海シマエビ漁 エビの選別

 

 選別が終わったあと漁場を移動し、再び帆を張り、漁を続けます。
北海シマエビ漁 次の漁場へ

 

今季のセリは14時30分。 
それまでに漁獲許容量に達した場合、その日の漁は終了。
また、天候を見て船団長の判断で引き揚げる場合もあります。
北海シマエビ漁 船団長の旗

 ▲舳先(へさき)にあるカラフルな布が、合図を出す船団長の旗

 

操業期間は、夏漁は例年6月下旬から、秋漁は10月下旬からの約1ヶ月間です。
(資源保護のために漁獲許容量を設け、操業期間が早く終漁する場合があります)

 

《平成26年度フードチェーン食育活動推進事業》