地元の旬を全国の食卓へ~市場と仲買人~(食育レポートVol.39)

【漁師さんから新鮮なまま市場へ】

漁師さんたちはとれた魚を種類ごとに選別し、市場へ持っていきます。自分の屋号のついた札を置き、出荷が完了します。(地域によっては仲介業者が市場へ出荷する場合もあります。)別海漁業協同組合(以下、別海漁協)の新港市場では、氷下待ち網漁のせりを10時30分から始めます(漁によってせりの時間は変わります)。
せりで購入する仲買人は、商品をひと通り見て回り、品定めをします。そして、需要や他市場での相場などを参考に、買う価格(買値)を決めます。
市場の競り

 

【スピード勝負!競り(せり)下げ方式】

「カランカラン」と鐘の音が鳴ったら、せりが始まる合図です。
ここでは、せり人が品物の価格を下げていく間に一番早く声をあげた人が落札するという「競り下げ方式」です。鮮度が命の魚介類にとって、取り引きのスピードが速いのが大きなメリットです。商品の前に皆が集まり、せり人が品物と量を読み上げ、早口で価格を下げていきます。仲買人が希望の買値になると「ハッ」と声を掛け、せり人が業者名と価格を読み上げると取り引き成立。この間、わずか数秒です。
市場の競り

▲中央の人がせり人。隣の人は取引価格を記録している

 

仲買人は、せり落とした魚介類の箱に屋号の札を置きます。生産者市場での値段を「浜値」と呼び、この日の価格は前月平均の2.5倍になりました。高値になれば漁師さんが喜びます。
市場の競り

▲紫色の紙が生産者、ピンク色が仲買人の屋号札

 

【全国へ届ける仲買人】

別海漁協の市場には、尾岱沼、標津、根室から仲買人たちが集まります。
この日の仲買人の一人、株式会社 丸イ 佐藤海産の伊勢健さんにお話を伺いました。

丸イ 佐藤海産

この日は9:45から野付漁業協同組合(以下、野付漁協)でホタテとホッキを買ったあと、10:30に行われたこの市場へ。11:30からは再び野付漁協でせりがあるそうです。
「今日はチカとニシン。明日は天気が荒れるから、多めに買いました」と話す伊勢さん。この日は暴風雪を伴う低気圧が近づき、明日は漁ができないだろうと判断したのでした。

このように、水揚げ地に開設される市場は「産地市場」と呼ばれていて、水産物の産地市場は日本全国に328ヶ所(平成24年)あります。

仲買人は、買った魚介類を流通しやすいように3kgや10kgといった同じ重さに統一したり、商品によっては加工をして、「消費地市場」と呼ばれる中央卸売市場(33都市39市場)や地方卸売市場(272ヶ所)へ送ります。そこで再びせりにかけられ、消費地市場の仲買人が小売店や飲食店、スーパーなどに販売します。こうして生産地から遠く離れた場所でも、新鮮でおいしい魚介類を食べることができるのです。

流通図

 

《農林水産省フードチェーン食育活動推進事業》