べつかい乳業興社の製品のひとつ、「べつかいの牛乳屋さん」。
▲「べつかいの牛乳屋さん」と別海りょウシくん
別海町の小学生は、毎日給食の時間に別海町産の牛乳「べつかいの牛乳屋さん」を飲んでいます。この身近な牛乳について学習するため、別海町の小学生は社会科見学で工場を訪れています。
→給食に地元の食材を~別海町 学校給食センター~(食育レポートvol.13)
今回は、別海中央小学校3年生64名が社会科単元「調べよう 物を作る仕事」の学習の一環として、べつかい乳業興社を見学した様子をご紹介します。
授業では、工場見学前に、「べつかいの牛乳屋さん」について考えることからスタート!
「ジュースより好き!飲みたい!」「色々な牛乳があるけど、一番飲みやすい」「別海限定?他の町の給食でも飲んでいるのかな?」
中には「牛は別海の宝物!」と言う児童がいて、みんながうなずいていました。
「この牛乳、もともとはどこからきたのかな?予想してみて。」
「牛から牛乳パックがポロンと出てくるのかな?」という問いには、「牛のお乳が牛乳」という答えがすぐ出てきました。
家が酪農業の児童が「家族の人数よりも牛のほうが多いから搾乳(さくにゅう・乳しぼりのこと)に機械を使うけど、何時間もかかるんだよ。」と説明したり、「牛乳を運ぶのにタンクローリーを使う」と答えた子もいました。
いよいよ見学の日。「べつかい乳業興社」へ到着しました。
見学は10数人のグループに分かれて行います。
右奥のドアから向こうが製造室。見学は、2階の見学者専用通路からガラス越しに行います。
階段を登ってすぐにあるのが、製品検査室。
ここでは容器につめた製品の検査をしています。
製品検査室の先には、大きなガラス窓。製造の様子を上から見られるようになっています。
べつかい乳業興社では牛乳の他、チーズやアイス、ヨーグルトなどの乳製品を製造しています。→生乳生産量日本一、べつかいの乳製品を手から手へ。(食育レポートvol.5)
窓越しに、たくさんの機械と白衣の職員が見えます。
ここはチーズ製造室。下に見える黄色い液体がチーズ原料です。
ここは、牛乳をパックに詰める「牛乳充填室」です。
写真奥の銀色のタンクから、牛乳がパイプを通ってパックに充填されていきます。
▲「あのタンクは3トン。200mlの牛乳15,000個分が入っているんだよ」と説明を受ける児童たち
この工場では、一人の職員が一日に何種類もの製造をこなします。
そのうち、学校給食に届けられる200ml牛乳の製造は、この工場で朝一番の作業です。
見学の時間帯はすでに200mlパックの製造を終え、べつかいの低脂肪牛乳(1Lパック)を製造していました。
見学通路には、牛乳の原料を届けてくれる牧場のしごとや牛の一生などについての解説があります。
施設の見学を終えてロビーに戻ると、素敵なプレゼントが待っていました。
「べつかいののむヨーグルト屋さんいちご味」(写真提供:べつかい乳業興社)
施設見学を終え、改めて、べつかい乳業興社の職員が、牛乳が学校や食卓へ届くまでを説明します。
「別海は漁業と酪農が盛んですよね。
乳製品の原料になる生乳は、日本全国での生産量のうち約6%、乳牛の頭数は人口の約7倍です(102,880頭 H26.2.1現在)。
別海の酪農家さんが愛情をかけて牛を育て、牛を育てる牧草を育て、牧草を育てる土を大切に育てているから、別海の生乳は乳質が良く、乳脂肪が多く、おいしい牛乳を飲むことができるのです。
そのままの味が一番美味しいから、そのままの品質で消費者の皆さんに届けるのが私たちの役目です。」
質問コーナーでは、事前学習で疑問に思っていたことや、見学してみて気になったことが挙がりました。
Q.製造作業は何時頃から?
A.作業は朝4時から。忙しい時は日付の変わる0時から作業をします。
Q.牛乳は牛から搾ってそのまま飲めないの?水で洗ったり、消毒液を入れるのかな?
A.搾ったままの状態(生乳)で売ることは、食品衛生法でできないことになっています。なので、清浄機や遠心分離機を使ったり、90℃で30秒間加熱して殺菌し、商品にしているのです。
Q.牛乳パックに書いてある”HTST法”って?
A.72℃以上で15秒以上加熱するという殺菌方法です。牛乳そのものが良いので、そのしぼりたての味わいを残すためにこの方法を使っています。
今回の見学を担当した営業推進部 西條部長は 「私たちは商品を作るのが仕事です。それは、生乳を生産する酪農家の方がいて、買って下さる消費者の皆さんがいるから成り立つ仕事です」と話していました。
学校へ戻ったこどもたちは、見学を通してわかったことを振り返りました。
続いて、授業のまとめとして、別海町消費者協会の主催する「牛乳パッケージイメージデザインコンクール」のデザインに挑戦しました。
ひとりひとりの想いをパッケージデザインに描きます。
担任の佐藤先生は、「毎日給食で飲んでいる牛乳のことを工場見学で学び、より牛乳への想いが深まったようです。”知る”ということは大事だなと思います。ただ牛がいれば牛乳ができるというわけではなく、沢山の人の努力や支えでできるものだと気付いてほしいです」と話していました。
▲べつかい乳業興社を見学した別海中央小学校3年1組のみなさん
《農林水産省フードチェーン食育活動推進事業》