山の子が海へ!~秋サケの解体学習~(食育レポートvol.15)

根室管内では秋サケ漁が始まりました。

別海町立上西春別中学校の総合的な学習の時間「テーマ学習(環境学習)」では、
初の取り組みとして、「鮭(秋サケ)の解体実習」が行われました。

 
参加したのは2年生。男子8名、女子6名の計14名。
1時間以上かけて上西春別地区から尾岱沼地区の大隅商店加工場へ到着しました。
上西春別地区は別海町の中でも内陸に位置しており、
家が酪農業の生徒さんが3名います。

大隅商店 加工場

▲大隅商店加工場

 

講師は、水産加工や飲食店、地域の行事やテレビで別海の海の幸をアピールしている
大隅啓年(おおすみ ひろとし)さん。
大隅さんと別海りょウシくん

用意していただいたのは秋サケ14本!
秋サケ

 

【アキアジ(秋サケ)は全部食べられる。投げる(捨てる)ところがない】

 

まずは、大隅さんから説明を受けます。秋サケの解体実習 説明を聞く中学生

三枚おろしでははずす”えら”は、塩漬けすると「ささめ」に。
”頭”と”骨”は北海道の郷土料理「三平汁」や「あら汁」にしたり、
“氷頭(ひず)”という軟骨部分は「なます(氷頭なます)」に。
”胃(キュー)”は塩辛にすると「めふん」に。

『めふんの塩漬けと醤油漬け、最強だよ!』と大隅さん。

いよいよ三枚おろしの実習が始まります。

 

【骨を感じて!】

使うのはアイヌ語で”マキリ”という小刀。
秋サケをさばく道具 「マキリ」

 

最初に、えらを切り離します。
秋サケのエラを切り離す作業

 

頭を落とし、腹を裂き、内臓を取り出します。
骨に沿ってついている血の塊のような血合いは血腸(腎臓)といい、「めふんかき」という道具でかき出します。
秋サケの内蔵を取り出す作業

 

洗って水を切り、第一段階終了です。
秋サケの頭と内蔵、ヒレを取り除いた姿

頭を残したままで上の工程を経て、
塩を振って冷凍したものが新巻鮭なのだそうです。

三枚おろしの場合は、ここから骨と身を切り離す作業に入ります。
まずは大隅さんのお手本から。
大隅さんのお手本 大隅さんのお手本 秋サケの三枚おろし

 

今度は生徒たちの番。
秋サケの解体実習 中学生の実習

骨につく”身”が増えてくると大隅さんがサッと駆けつけ、
あっという間に身と骨をきれいに分けます。

 「骨を感じて!」と、先に作業をした生徒は次の生徒達に声を掛けていました。

 

【新鮮!だけど、寄生虫に注意!】

「生で食いてー!」
男子生徒が思わず叫ぶ活きの良さ!

『生はホントうまいんだけど、一度凍らせて”ルイベ”にしてね。
アニサキスっていう寄生虫がいることがあるから。お兄さんも刺さったから。そのまま出て行くこともあるけど、胃に刺さったら寝られないくらい痛いよ。』
生で食べることの危険を、自分の経験を踏まえつつ優しく教える大隅さん。

 

作業を教えてもらった生徒たちと、引率の先生方の感想です。

「頭を落とすところが難しかった。やってみたら楽しかった。
全部食べられることを初めて知った。身以外食べたことがない。
自分でさばいたので、食べるのが楽しみです。」 (実家が酪農業)

「小学校で一度さばいたことがある。よく説明を聞いて、前よりうまくできた。
家に持ち帰ったらあら汁や塩焼きにして食べたいです。」

「家で頭を落としたりしたことはあるが、3枚におろしたことがなくて今日習えて良かった。家で鮭はよく食べる。家に帰ったら、自分で切り身にして焼いて食べたいです。 」

「小学校でやったことがある。難しかった。 鮭は意外と重かった。焼いたりして食べてみたい。またさばいてみたいです。」(実家が酪農業)

 

【上西春別中学校 教諭 吉田先生】
総合的な学習で、今年から酪農だけでなく漁業についても実習に取り組むことになった。山の子が海に来るのは(中学校では)初めて。
単年度だけでなく、今後も受け入れていただけたらと思っています。

【上西春別中学校 教頭 藤野十志幸先生】
今年度、1年生では「北方領土学習」、2年生ではこの「鮭の解体実習」、3年生では「酪農学習」に取り組んでいます。この大きな別海町には二つの大きな第一次産業があるので、それを活かして地域に誇りを持つような学習ができたらと考えています。

 

三枚おろしと頭1個、骨1枚、白子2本をそれぞれお土産にもらった生徒たち。
秋サケ解体実習のお土産

 

秋サケ解体実習の片付け

使った道具を水洗いしてお片付け。

秋サケ三枚卸し実習に挑戦する上西春別中学校2年生

このように教えるのは初めて、とおっしゃっていた大隅さん。
後日、「来年の2年生もお願いします」とお手紙が届いたそうです。


大隅商店 
〒086-1641 野付郡別海町尾岱沼158番地
℡0153-86-2121

※酔楽まる太(大隅さんのお店) 
℡0153-86-2006
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《農林水産省フードチェーン食育活動推進事業》